年末年始に、外国人を案内するなら、ぜひ街歩きを!新年を迎える慶びを一緒に味わってくださいね。街中が「ザ・日本」という感じで素敵。
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縁起物
例えば、ビルの窓には、鏡餅を模したものがディスプレイされてありました。縁起物のだるま、鯛、鶴もみえます。
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年末年始行事への備え
築地本願寺では、年末年始の行事である「除夜会」「元旦会」に備えてお目出たい幕が張られていました。気持ちが晴々します。テントではホットミルクが配られる予定です。
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門松
ユニークなのは、門松。松と竹に加えて梅、南天、葉牡丹、そして水引、紙だれ、等々の縁起物が飾り付けられます。いろいろな素材のものがあって、見ていて楽しいです。門松は、個人の家や商店、そしてビルの前に、そして通りの両側にもありますね。
松は常緑樹で、一年を通して緑の葉が生い茂り生命力が強く、長寿の木と言われています。そして竹は、成長が早く、生命力と繁栄の象徴です。どちらも日本人の生活の中でよくみる木です。その二つを組み合わせて、年神様が新年に地上へおりてくるときに、宿る家を見つけて落ちつける場所を用意しておく意味で、玄関に門松をおくようになったそうです。
気づいていましたか?竹の切り方が二種類あることを。
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
斜めに切って、断面が見える方が「そぎ」と呼ばれています(左側)。そして、そのまま水平に切られたものが「寸胴」と言う切り方になります(右側)。
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平安時代に始まった門松は、寸胴が門松の本来の形状で、そぎの切り方は江戸時代以降に現れたといわれています。
そぎのきっかけは、戦国時代の徳川家康と武田信玄が戦った三方ヶ原の戦い、負けた徳川家康が、次は(武田)を切ってやるぞと斜めに竹を切ったのが始まりと言われています。とはいえ、街中をみるといろいろあって、銀行などの金融機関は、お金が貯まりやすいようにと「寸胴」の門松が多いのですって。
歌舞伎座の門松は寸胴でした。あまりにも大きいので、晴海通り渡って撮ったら、今度は見づらい。写真の赤矢印が門松です。接近すると写真右側のように大きく立派に寸胴門松が立っているのがわかります。
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竹の長さは7:5:3の比率であり、割り切れない縁起の良い数字になっています。こんなところにも、日本人の心意気が。
長さの違う竹の並び方にも意味があって、二番目に長い竹が外側に配置されているものを「出飾り」、そして、内側に配置されているものを「迎え飾り」と呼ぶそうです。出飾りは門出を祝いたい気持ち、迎え飾りは、招福や商売繁盛を願う気持ちを象徴しています。歌舞伎座のも、千客万来を願って準備されたのでしょうね。
年末年始は、外国人の案内ポイントがたくさんあります。年末のあわただしい街並みと年始の静かな街並みを比較案内しながら日本人の心意気を伝えるのも、外国人の印象に残る日本での年越しの過ごし方になると思いますよ。
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