日本古来の歌舞伎や文楽、能などの芸能の歴史から映画、ミュージカル、舞台演劇などの最近のものまで、楽しめるコンテンツが展示されている演劇専門の博物館が早稲田大学構内にあります。その名も「早稲田大学坪内博士記念演劇博物館」。日本のみならず諸外国の演劇の歴史に関する展示物がたくさん。演劇好きでなくてもとても興味深い品々に感動。
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坪内逍遥の70歳、古希の年にシェークスピア全集の翻訳が完成したのを記念して、設立された博物館。坪内逍遥は、演劇・文学・舞踏・児童劇・美術・教育等の多方面に革新的、先駆的な業績を残した、近代日本文化における偉大な開拓者。彼が、土地を提供して、早稲田の土地に設立されたとのこと。
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素敵な建物
イギリスの劇場「フォーチュン座」を模して作ろうという坪内逍遥の発案で設計された建物は、素敵。なんと実際にシェークスピア劇が出来るように設計されていて、今でもこの舞台を使った企画があるのだとか。
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正面玄関には、Totus Mundus Agit Histrionem(この世はすべて舞台、人間はみな何らかの役を演じている)というラテン語が。これは、シェイクスピア劇を上演していたグローブ座のモットーからきていると言われています。
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展示室は9つ
建物の中は、常設展と企画展に分かれています。いくつかのポイントを除き、基本は、撮影禁止。内装は、レトロで外観同様に素敵。床は、全て板張り。
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マリーアントワネットの顔はめ人形ありました。
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企画展
私が訪れたときは、文豪×演劇特別展と越路吹雪衣装展が開催されていました。文豪×演劇特別展では、近代文学が、演劇とのコラボレーションによって人々に広がった様がわかりやすく展示されていて、とても楽しかったです。今では、当たり前ですが、百貨店とコラボレーションしたり、新聞や雑誌と連動してイベント化されたりした様子が良くわかりました。作家の自筆の手紙が展示されていて、谷崎潤一郎の手紙が普通に読みやすかったですよ。
近代の文豪たちが登場する転生シミュレーションゲーム「文豪とアルケミスト」のコラボ展示ありました。
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もうひとつの企画展が「生誕100年 越路吹雪衣裳展」。舞台衣装、アクセサリー、ポスターなどが展示されていました。日本にミュージカルやシャンソンを定着させた彼女の軌跡がよくわかる展示でした。イヴ・サンローランやニナ・リッチのオートクチュールドレスなど、キラキラで素敵なドレスがたくさん。
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貴重書・外国語図書閲覧室
謡本・歌舞伎台本・浄瑠璃本・役者絵本などの江戸期以前の和装本など、資料的価値の高い本が閲覧できます。また、演劇・映画、舞踏・音楽などの外国語で書かれた図書・雑誌の閲覧、また日本有数のシェイクスピア関連の資料の閲覧ができます。演劇・芸能に興味がある外国人はもちろん、興味深いコンテンツが目白押しのみなさんが喜ぶ場所をぜひ、案内してみてくださいね。
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
〒169-8050 東京都新宿区西早稲田1-6-1
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