明治43年(1910)に建設された芝居小屋・八千代座。熊本県の北部山鹿市にあります。日本にある国指定文化財の芝居小屋のひとつ。人々の娯楽が、芝居からテレビ、映画など多様化してしまったからだそうです。廃れて残念な状況から見事に復活したのが八千代座。立派でしょ。
![八千代座](https://camelliatours55.com/wp-content/uploads/2025/01/c94f54447a02024d871b3ef14402c335-1280x720.jpg)
芝居小屋は、最盛期には3,000位あったけれど、今は6つしか残っていないそうです。
![八千代座](https://camelliatours55.com/wp-content/uploads/2025/01/5136cab6f48932bbde918cc9aefe42e4-1280x720.jpg)
カラフルな天井
八千代座に入ってまず驚くのは極彩色の鮮やかな天井広告看板。これは、今ある他の芝居小屋では見られないもので八千代座のみで経験できること。圧倒されます。
![八千代座](https://camelliatours55.com/wp-content/uploads/2025/01/54b4b95b85b67ee2d96b39f7f57af1e6-1280x720.jpg)
![八千代座](https://camelliatours55.com/wp-content/uploads/2025/01/4d855218a7edae0b3c9952367c7c6ae4-1280x720.jpg)
こちらは全てスポンサー広告で化粧品、着物、小間物、食料品などの宣伝が復元され描かれています。100年以上前のスポンサー企業・商店がほとんどなのに、7店舗が今なお山鹿に残って営業しているのにビックリ。千代の園もそのひとつ。
大きなシャンデリア
![八千代座](https://camelliatours55.com/wp-content/uploads/2025/01/90057532c6e654e478213fec69f3a52d-1280x720.jpg)
中央には真鍮製の大きなシャンデリアがあります。これも大修理でよみがえらせたもの。当時はガス灯だったので、ランプが上向きについています。ガラス製のシェードの半分は、建設当時のもの。
客席
1階の中央に、升席。ここは修復後、床暖房付きで、ほっこり。1階、2階には、升席を囲うように桟敷席があります。全てに勾配がついていて、前の人に遮られることなく、舞台を見れるようになっています。
![八千代座](https://camelliatours55.com/wp-content/uploads/2025/01/ca894cb1486396bfccbb3f6c380803d1-1280x720.jpg)
![八千代座](https://camelliatours55.com/wp-content/uploads/2025/01/13079d30190e163db6c4dd40edb8b58d-1280x720.jpg)
奈落の見学
興行などで八千代座が使われていないときは舞台の下に降りて、奈落を見学可能。奈落は、舞台や花道などの床下の総称。舞台の左手奥から奈落に降りることができます。
![八千代座](https://camelliatours55.com/wp-content/uploads/2025/01/bde80c673d35ca2bc7ca40daaf9c4f0f-1280x720.jpg)
奈落廻り舞台迫りは、日本発祥の仕掛けなのですって。4か所の棒を押して、舞台をまわします。そしてその周り舞台の中に、役者を奈落からせり上げる、セリもありました。このような仕掛けの舞台は、お客さんは大盛り上がりだったでしょうね。
山鹿灯篭
私が行ったときは、舞台で、浪曲の「八千代座誕生と復興の物語 わさもん」が上映されました。これが、実に面白かったです。閉鎖状態が続き老朽化が進み、朽ちかけていく八千代座を、どのようにして復興されたかという物語を浪曲師の港家小ゆきさんが語るものがビデオで流れます。とても見事で、ひきこまれました。
その後、幻想的な山鹿灯籠踊りが披露されました。踊りが終わった後は、舞台に上がって、一緒に写真を撮ることができて、外国人も大喜び。
山鹿灯篭は、九州屈指の夏の風物詩「山鹿灯籠まつり」で踊る女性たちが、頭に掲げるもの。室町時代から伝わる山鹿灯籠は、木や釘を使わず、糊と手漉きの和紙だけで手作りされる伝統工芸品。だからとっても軽いのですって。
![八千代座](https://camelliatours55.com/wp-content/uploads/2025/01/39ea60f633853b9a2cd928873b85c755-1280x720.jpg)
山鹿灯篭は、銀座で開催されていた熊本展でも、ショーウィンドーに飾られていました。熊本を象徴するアートなのです。
![八千代座](https://camelliatours55.com/wp-content/uploads/2025/01/9bb19b2f5577f23fcfca47699ee7d05c-1280x720.jpg)
地元の旦那衆によって建てられ、今なお現役の芝居小屋「八千代座」。タイムスリップしてしまったような不思議な雰囲気の中、古き良き日本の大衆娯楽文化に触れられる貴重なスポット。ぜひ外国人と行ってみてね。レトロな雰囲気に魅了されますよ。
〒861-0501熊本県山鹿市山鹿1499
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