みんなが大好きな日本のお菓子「ういろう」。その起源は小田原にありました。
お菓子?薬?
ういろう博物館を訪ねると、正面にはお菓子の「ういろう」が販売されていて、同じ店内の左手には薬局があります。え?お菓子?薬?博物館はどこ?となります。お店の人に聞くと、博物館に案内してくれます。薬局の脇を通って裏に出たところにある蔵が、博物館。それにしても、お菓子と薬を一緒に売ってるってどういうこと?
秘密が解き明かされる博物館
「ういろう」は、外郎さんという苗字からきています。外郎家は、医術と占いに優れていて、天皇家や幕府に家伝の薬「ういろう」を献上。この薬は、小田原の外郎家に、一子相伝で現在も伝えられています。そして、外国使節の接待用にと自らお菓子を考案。それも「ういろう」と呼ばれ、その時に使えていた職人たちによって製法が全国に広がったそうです。
博物館の中には、外郎家にまつわる品々が、展示されています。館内撮影禁止なので写真で紹介できませんが、興味深い展示内容。
歌舞伎十八番「外郎売」
歌舞伎役者・二代目市川団十郎が、のどの調子が悪くて、舞台に立てなかった際に、薬のういろうを飲んだら、全快。お礼の気持ちから、団十郎が創作したのが「外郎売」。ういろうの由来と薬効を早口言葉で演じるセリフが、博物館で入手できます。俳優、アナウンサー、声優の練習教材としても広く用いられているので、知っている方も多いですよね。それにしても、なんと長い歴史があることよ。
お菓子の「ういろう」と薬の「ういろう」
ういろうの箱には、しっかりお菓子のと、明記されています。裏面には、その由来も書かれています。
当時のういろうはその時代、大変高価だった黒砂糖と米粉を練って作られていました。ということで、私は、オリジナルのういろうを購入。ちなみに私は、「ういろう」が大好きです。名古屋のういろうと比較すると、小田原のほうが弾力が強い感じでした。自然素材で作られているので、開封後は2日間で食べきってくださいとのこと。
薬の「ういろう」も購入。室町時代からのれん分けせず一子相伝、二十五代にわたり作り続ける家伝薬。材料を手に入れることが難しくなっているということで、購入制限がありました。薬は、本店のみで購入が可能な逸品。私がお店にいる間にも、お客さんがひっきりなしに来ては、薬の「ういろう」を購入していました。人気なんですね。
興味深い話と歴史がある「ういろう」。お菓子と薬を求めて、ぜひ小田原へ行って外国人を案内してみてね。小田原城からすぐの場所にあります。
神奈川県小田原市本町1-13-17
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