大分県にある別府温泉には、100℃近い温泉の源泉をめぐる「べっぷ地獄めぐり」観光スポットがあります。この地域、千年以上も昔より噴気・熱泥・熱湯などが噴出していたことが、奈良時代初期に編纂の「豊後風土記」に書かれているそうです。一帯は、近寄ることもできない忌み嫌われた土地だと書いてあったとか。そりゃーそうだという、湯けむりがたちのぼる青や赤に染まった池は、名前のとおりまさに地獄を彷彿とさせます。なんとも不思議な光景。チャレンジ精神あふれる外国人をぜひ、「地獄」へ案内してください。
7つの地獄をめぐると、ざっくり3時間。
「海地獄」「鬼石坊主地獄」「かまど地獄」「鬼山地獄」「白池地獄」「血の池地獄」「龍巻地獄」の7つの地獄をめぐるコースになります。7つすべてに特長があり、それぞれ異なる“地獄”を感じます。
7つの地獄温泉は、「海地獄エリア」と「血の池地獄エリア」の2つに分かれています。エリア間の距離は、3kmほど離れています。「海地獄エリア」から先に回るのがおすすめ。
「共通観覧券」の購入が便利
別府地獄めぐりの共通観覧券(入場券)を購入するのが便利。びっくりなことに、7つの地獄温泉はそれぞれ個人所有だそうで、共通観覧券が無いと都度に購入することになり、面倒です。共通観覧券は、購入日がスタンプされ、二日間有効。入場は、各地獄1回限りです。
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始まりは海地獄
コバルトブルー色をしている「海地獄」、温度は98度。お湯が湧き出る泉脈までの深さは200mともいわれています。もわもわの湯けむりでほとんど見えない。この池の色は、温泉に硫酸鉄が溶解したものだとか。
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地獄のお湯に直接浸けて茹でる温泉たまごは、Must Eatです。おいしい。塩もちゃんとついています。
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海地獄から徒歩一分で着くのが、「鬼石坊主地獄」。灰色の泥が沸騰する様子が坊主頭に似ていることからこの名前が付きました。こぽこぽ丸いものが、湧いています。
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わたしの一押し「かまど地獄」
5分程度歩くと「かまど地獄」。敷地内には1丁目から6丁目までそれぞれ特徴の異なる地獄があります。また、のどの湯だったり美肌の湯だったり、飲泉と、いろいろな種類の地獄を体験できます。ちょうど大雨が降ってきたタイミングでここに到着。ひさしのあるところに避難できて本当に良かったです。
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この岩盤浴は、気持ち良かった。飲泉水は、塩味でした。スウェーデンからの観光客は、全部飲むのは無理と笑っていました。
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砂蒸し風呂もありました。砂の中に足を入れて、指をむぎゅっとすると楽しいですよ。
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そこから徒歩一分で、鬼山地獄。ここはワニとアリゲータが大量にいます。みな大きい。動かない。日本で初めてワニの飼育を始めた場所がここ。温泉熱を利用して、熱帯・亜熱帯地方に多く生息しているワニにはぴったりの環境なのだそう。ワニはどんなに長いこと飼っていても、慣れたりもしないので、飼育員さんとの触れ合いも無く(あっても困るけどねー)、なかなかヤリガイを見つけるのが大変なんですって。私が話をした飼育員さんは、20歳くらいで入社。彼が60歳まで働いたとしても、たぶん同じワニがいる筈なんですよーと笑っていました。ワニは長生きですものね。
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そこから徒歩2分で、「白池地獄」に到着。ここが「海地獄エリア」最後のスポットになります。国指定名勝にも指定されている白池地獄は、和風庭園の中に青白い池があります。優雅なる地獄です。温泉熱を利用した「熱帯魚館」があり、大型熱帯魚を観察することができます。
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変化に富んだ地獄を堪能。どれ一つとして同じものが無く、飽きません。
血の池地獄エリアへ
次の「血の池地獄」エリアへは、バス停「鉄輪」から亀の井バスに乗り、「血の池地獄前」で下車し血の池地獄エリアへと移動しました。
「血の池地獄」は、日本で一番古い天然の地獄。1300年以上前から在ります。
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真っ赤な温泉池は、化学反応を起こした酸化鉄、酸化マグネシウム等を含んだ赤い熱泥が堆積しているからだといわれています。おどろおどろしい雰囲気が漂っています。立ち入り禁止の看板がありました。立ち入ろうなんて微塵も思わないけどねー。
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ここでしか買えない軟膏
池の横には、売店があります。血の池から湧き出る粘土から作られた血の池軟膏は、ここでしか買えません。戦前から皮膚病の治療に使われている定番商品。
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私も購入しました。薬草のような独特のにおいがして、効きそうな感じ。早速、虫刺されに塗りました。かゆみは一発で止まったよ。
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そして徒歩一分で、最後の地獄スポット「竜巻地獄」に到着です。勢い良く噴出する間欠泉になります。これは、噴出するのが約30分おきということで、待ち時間有りです。自然現象なので、これは待つしかないです。スマホみたり、すぐそばにある大分ジェラートを買って食べたりと思い思いにすごします。突然、シューッと音がして、勢いよく噴出が始まります。噴出は10分程度なので、十分楽しめます。
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アメリカのイエローストーン国立公園や、アイスランド、ニュージーランドなどの間欠泉が世界的に有名ですが、龍巻地獄はそれらより噴出周期が圧倒的に短いのが特長。だから、待てるのです。岩で屋根が作られていて、今ひとつ高さが無いのですが、これがなければ50mほど吹き上げるのだそうです。100℃以上の温泉が噴き上げるという事情があるとはいえ、天高く噴き上げる間欠泉、見たかったなぁ。
多言語パンフレット
もちろん現地でも多言語パンフレットは手に入りますが、外国人を案内する前に、ここで見て、ルートや特長を学習しておくと便利です。
べっぷ地獄めぐりは、自然が生み出した不思議な景観が広がります。絶え間なく噴出している熱湯や泥、そして間欠泉、すべては地球の営みになります。次世代に大切につなげていきたいものです。変化に富んだ別府温泉、ぜひ外国人と訪れてみてくださいね。
スタンプも忘れずに!
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大分県別府市大字鉄輪559-1
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