送水口(そうすいこう)ご存じですか?消防車から直接放水ができない場所、例えば、高層ビル、地下階などへ、消防用の水を送り込むための建物側の口になります。消防車は、消火栓から水を受け取り、建物の内部へは送水口を通して水を送りこみ、建物の内部で水を受け取って放水するという仕組み。
日頃気にしていないけれど、ビルには必ずついているので、目にしたことがある筈。↓これね。
世界初の送水口博物館
さて新橋に、日本初、そしてたぶん世界初だといわれている「送水口博物館」があります。送水口の老舗企業「村上製作所」の創業80周年記念行事として設立。三代目社長が館長さん。
入り口は、中華料理屋さんの看板がどーん。「村上製作所」という看板も出ています。入って、5階まで階段で上がっていきます。
5階に到着すると、駅名風の看板がお出迎え。その前を通って、屋上へ。送水口博物館の玄関で靴を脱いで入ります。
館内はこんな感じ。ビルの屋上にあるコンパクトな空間が博物館なのです。これ実は、送水口博物館に至る階段の踊り場にあったミニチュア。全体が俯瞰できますね。一部屋だけの博物館です。
そこには日本各地から集められた送水口達が集結。送水口を愛する人たちの思いが、詰まったスペースになっています。
取り壊しが決まったビルから、払い下げをされた昭和時代の送水口がたくさん展示。第二の人生を歩んでいます。毎年、4個程度収蔵品が増えているとのこと。
送水口連結体験もできるよ
送水口博物館では、送水口に触れたり、消防ホースを送水口に連結することが体験できます。「カチャ」って入る感触、とても気持ちが良いです。
なお、連結インタフェースは、日本共通。大きな災害の際などには、日本全国の消防車が応援に駆け付け消火協力ができる仕組み。安心の標準化ですね。館長さんによると、アジアの国々でも採用されている日本人が発明した世界特許をもつ連結インタフェースなのだそうです。
送水口熱あふれる館長さんと語り合えば、その帰り道は、送水口が気になります。それくらい感化を受ける素晴らしい博物館です。
充実の外国人お迎え体制
入館の際、コースターとパンフレットがいただけます。コースターには、開館以来の通算来場者番号が印字されています。パンフレットは、東京オリンピック2020の際に、各国選手団が来てくれることを想定して日英併記に一新。英語での説明ができるよう心の準備をしていたとのことで、外国人お迎え体制も万全。
外国の建物の消火活動、どのような送水ルートを装備しているのか、ぜひ意見交換したいと館長さんがおっしゃっていました。消防関係に造詣が深い外国人を案内する機会あれば、ぜひ送水口博物館へお連れください。
<アクセス>
送水口博物館 〒105-0004 東京都港区新橋2-11-1 村上建物ビル5階
■JR山手線新橋駅日比谷口を出て、新橋仲通りを西へ約5分。
■都営地下鉄線内幸町駅A1出口を出て、日比谷通りローソンを左折2分。
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